「夏と冬になると電気代が一気に上がる…」「エアコンはつけっぱなしとこまめに消すの、どっちが安いの?」
エアコンは、夏や冬の家庭の電気代のなかでも特に大きな割合を占める家電です。とはいえ、暑さや寒さを我慢して体調を崩してしまっては元も子もありません。大切なのは、快適さを保ちながら、エアコンを効率よく使うことです。
この記事では、よく話題になる「エアコンはつけっぱなしのほうがお得なのか」という疑問に答えたうえで、今日からできるエアコンの電気代を安くする7つのコツを分かりやすく解説します。
この記事でわかること
- エアコンの電気代の計算方法
- つけっぱなしとこまめに消す、どっちがお得か
- エアコンの電気代を安くする7つのコツ
- 冷房と除湿(ドライ)の電気代の違い
エアコンの電気代はどうやって決まる?
まずは、エアコンの電気代がどのように計算されるのかを知っておきましょう。電気代は、次の式で求められます。
電気代 = 消費電力(kW)× 使用時間(h)× 電力量料金単価(円/kWh)
たとえば、消費電力が0.5kWの状態で8時間運転し、電力量料金単価を31円/kWhとすると、0.5×8×31=約124円になります。
※31円/kWhは、家電製品の電気代表示によく使われる目安の単価です。実際の単価は契約している電力会社や料金プランによって異なります。
ここで大切なのは、エアコンの消費電力は常に一定ではないということです。エアコンは、運転を始めて室温を設定温度に近づけるときに最も多くの電力を使い、設定温度に達すると、その温度を保つための少ない電力で運転します。この仕組みが、「つけっぱなし」と「こまめに消す」のどちらがお得かを考えるうえでのカギになります。
エアコンはつけっぱなしのほうが本当にお得?
結論からいうと、「外出する時間の長さ」と「外の気温」によって変わります。
短時間の外出なら「つけっぱなし」がお得になりやすい
先ほど説明したとおり、エアコンは起動時に大きな電力を使います。そのため、ちょっとした買い物などの短い外出でこまめに消すと、帰宅後に再び部屋を冷やす(暖める)ために多くの電力が必要になり、かえって電気代が高くなることがあります。
空調メーカーが行った検証でも、夏の日中であれば、30分程度の外出ならつけっぱなしのほうが電気代が安くなったという結果が報告されています。特に外が暑い日中は、部屋の温度が上がりやすいため、つけっぱなしの効果が出やすくなります。
長時間の外出なら「消す」のが基本
一方で、仕事や旅行などで何時間も家を空ける場合は、エアコンを消したほうが電気代は安くなります。また、比較的涼しい夜間や、外気温との差が小さい春・秋は、短時間でも消したほうがお得になるケースが多いです。
シーン別の目安を表にまとめました。
| シーン | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 夏の日中、30分程度の外出 | つけっぱなし | 部屋が暑くなりやすく、再起動時の電力が大きい |
| 数時間以上の外出 | 消す | 運転し続ける電力のほうが大きくなる |
| 涼しい夜間の短い外出 | 消す | 室温が上がりにくく、再起動の負担が小さい |
| 冬の寒い朝・夜 | 短時間ならつけっぱなし | 外気温との差が大きく、暖め直す電力が大きい |
| 春・秋など外気温が穏やかな日 | 消す | エアコンなしでも室温が安定しやすい |
住宅の断熱性能やエアコンの機種によって結果は変わります。あくまで目安として、自宅の電気使用量を確認しながら調整してみてください。
エアコンの電気代を安くする7つのコツ
ここからは、エアコンの電気代を無理なく抑えるための具体的なコツを紹介します。
コツ1:風量は「自動運転」に設定する
「弱風のほうが電気代が安そう」と思いがちですが、実は逆効果になることがあります。風量が弱いと設定温度になるまでに時間がかかり、そのぶん電力を多く使ってしまうのです。自動運転なら、最初は強い風で一気に室温を整え、その後は自動で弱い風に切り替えて効率よく運転してくれます。
コツ2:設定温度を1℃見直す
冷房の設定温度を1℃上げる、暖房の設定温度を1℃下げるだけで、約10%の節電になるといわれています。室温の目安は夏は28℃、冬は20℃です。これはエアコンの設定温度ではなく「室温」の目安なので、温度計で部屋の温度を確認しながら、無理のない範囲で調整しましょう。
コツ3:フィルターを2週間に1回掃除する
フィルターにホコリが詰まると、空気を取り込む効率が落ち、余分な電力を使ってしまいます。2週間に1回を目安に、掃除機でホコリを吸い取りましょう。汚れがひどい場合は水洗いし、しっかり乾かしてから戻します。
コツ4:サーキュレーターや扇風機を併用する
冷たい空気は下に、暖かい空気は上にたまるため、部屋の中に温度のムラができます。サーキュレーターで空気を循環させれば、設定温度を控えめにしても快適に過ごせます。冷房時はエアコンを背にして部屋の奥へ、暖房時は天井に向けて風を送るのが基本です。
暖房の場合は、エアコンだけに頼らない方法もあります。こたつや電気毛布を併用すると設定温度を下げられるので、こたつや電気毛布との電気代の違いもあわせて確認してください。
扇風機の消費電力は製品差が大きく、公表値で1.5Wから使えるものもあります。数値の見方はバルミューダの扇風機は1日0.37円で解説しています。
コツ5:室外機の周りをすっきりさせる
室外機は、部屋の熱を外に逃がす(暖房時は外から熱を取り込む)重要な役割を担っています。室外機の前に物を置いていたり、周りに落ち葉やゴミがたまっていたりすると、効率が落ちてしまいます。吹き出し口の前には物を置かないようにし、夏は直射日光を避けるためにすだれなどで日陰を作るのも効果的です。
日よけをする際は、室外機の吹き出し口や吸い込み口をふさがないように注意しましょう。ふさいでしまうと、かえって効率が悪くなります。
コツ6:カーテンや断熱グッズで外気の影響を減らす
家の中の熱の出入りは、窓などの開口部からが最も多いといわれています。夏は遮熱カーテンやすだれで日差しをさえぎり、冬は厚手のカーテンや窓用の断熱シートで冷気の侵入を防ぎましょう。エアコンの効きがよくなり、少ない電力で快適な室温を保てます。
コツ7:10年以上前のエアコンは買い替えも検討する
エアコンの省エネ性能は年々向上しています。10年以上前の古いエアコンを使っている場合は、最新の省エネモデルに買い替えることで電気代が下がる可能性があります。買い替えの際は、部屋の広さに合った能力のモデルを選び、カタログの期間消費電力量を比べると、年間の電気代の目安が分かります。
冷房と除湿(ドライ)はどっちが電気代が安い?
「除湿のほうが冷房より電気代が安い」と思っている方も多いですが、実は除湿の方式によって異なります。
| 運転モード | 仕組み | 電気代の傾向 |
|---|---|---|
| 冷房 | 室温を下げながら湿度も下げる | 設定温度しだい |
| 弱冷房除湿 | 弱い冷房運転で湿度を下げる。室温も少し下がる | 冷房より安くなりやすい |
| 再熱除湿 | 冷やして除湿した空気を暖め直して戻す。室温が下がりにくい | 冷房より高くなりやすい |
お使いのエアコンの除湿がどちらの方式かは、取扱説明書やメーカーのWebサイトで確認できます。蒸し暑い日は冷房、気温はそれほど高くないけれどジメジメする日は除湿というように、状況に合わせて使い分けるのがおすすめです。
やりがちなNG節電に注意
- 数分おきにオン・オフを繰り返す:起動のたびに大きな電力を使うため逆効果です。
- 風量を常に「弱」にする:設定温度になるまでに時間がかかり、効率が落ちます。
- 室外機をカバーで覆う:吹き出し口をふさぐと、かえって電力を多く使います。
- 暑さ・寒さを我慢しすぎる:熱中症や体調不良のリスクがあります。健康が第一です。
エアコン以外の家電の節約術は、電気代を節約できる家電の使い方20選|今日からできる省エネ術で紹介しています。
よくある質問
Q. 夏の夜はエアコンをつけっぱなしで寝ても大丈夫ですか?
A. 熱帯夜には、エアコンを適切に使うことが熱中症予防につながります。冷えすぎが気になる場合は、設定温度を少し高めにする、風が直接体に当たらないように風向きを調整する、タイマーを活用するなどの工夫をしましょう。
Q. 帰宅前に部屋を涼しくしておく方法はありますか?
A. スマートリモコンやアプリ対応のエアコンを使えば、外出先からスマホでエアコンをオンにできます。帰宅時間に合わせて運転を始めれば、快適さと節電を両立しやすくなります。スマートリモコンは時短家電おすすめ10選でも紹介しています。
Q. エアコンの電気代を確認する方法はありますか?
A. 機種によっては、リモコンやアプリで電気代や消費電力量の目安を表示できるものがあります。また、電力会社のWebサイトやアプリで日ごとの電気使用量を確認すれば、エアコンを使った日との違いを比べやすくなります。
まとめ:エアコンは「効率よく使う」が節約の近道
エアコンの電気代を安くするコツと、つけっぱなしが本当にお得なのかを解説しました。最後にポイントをおさらいしましょう。
- エアコンは起動時に最も電力を使う
- 30分程度の短い外出ならつけっぱなし、長時間の外出なら消すのが目安
- 風量は自動運転、設定温度は1℃の見直しから
- フィルター掃除・サーキュレーター・室外機のまわり・窓の断熱で効率アップ
- 除湿は方式によって冷房より高くなる場合もある
エアコンの節約は、我慢することではなく、仕組みを知って効率よく使うことがポイントです。今日紹介したコツを取り入れて、快適さと電気代の節約を両立させましょう。
